大会長挨拶
このたび、日本放射線腫瘍学会 小線源治療部会 第29回学術大会を、2027年5月14日(金)、15日(土)の両日、東京科学大学湯島キャンパスにて開催させていただくこととなりました。
本学湯島キャンパスは、近代教育発祥の地とされる昌平坂学問所の跡地に位置しています。本大会では、かつて昌平坂学問所の儒官を務めた佐藤一斎の『言志四録』にある「學貴自得(學は自得するを貴ぶ)」をテーマに掲げました。
小線源治療は、放射線の線量集中性において、放射線治療の中でも極めて優れた特性を有しており、前立腺癌、子宮頸癌をはじめとするさまざまながんの治療において、高い局所制御とQOLの維持を両立し得る重要な治療モダリティです。近年では、画像誘導技術の普及、新たなデバイスの導入、他の治療法との併用など、治療技術の進歩とともに、その治療選択肢も多様化しています。
しかし、小線源治療の発展は、単に技術や機器の進歩だけによってもたらされるものではありません。日々の臨床現場において小線源治療に携わる医師、診療放射線技師、医学物理士、看護師をはじめとする一人ひとりが、自ら学び、研鑽を重ね、患者さんにとってより良い治療を探求し続ける姿勢こそが、その発展を支えているのではないでしょうか。
「學は自得するを貴ぶ」という言葉には、他者から学ぶだけではなく、自ら考え、実践し、そこから得た経験を自分自身の学びとして深めていくという意味が込められています。小線源治療は、施設ごとに異なる経験や工夫、技術の蓄積が治療の質を形づくる側面が大きい治療です。
本大会では、最新の研究成果や臨床経験を共有することに加え、それぞれの施設が日々の診療の中で積み重ねてきた工夫や知恵を持ち寄り、互いに学び合うことで、小線源治療のさらなる発展と患者さんへの貢献につながる「自得の學」を深める場にしたいと考えております。
小線源治療を一つの「ハブ」として、多職種の専門家が一堂に会する本大会は、医療者間の交流にとどまらず、企業を含めた産学双方にとって、最新の知見や情報を共有し、新たな連携を生み出す貴重な機会になるものと確信しております。
また、東京科学大学湯島キャンパスのある御茶ノ水・湯島は、江戸時代から「学問と文化の街」として育まれてきた場所です。歴史ある街並みや文化に触れながら、日常の臨床から少し離れて小線源治療の未来について語り合う機会として、ぜひ多くの皆さまに足を運んでいただければ幸いです。
皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。
日本放射線腫瘍学会 小線源治療部会第29回学術大会
大会長吉村 亮一
東京科学大学 大学院医歯学総合研究科
腫瘍放射線治療学分野 教授